絶対に忘れない和積の公式の覚え方
和積の公式はこんなです。
$$sinA+sinB=2\sin \frac {A+B}{2}\cos \frac {A-B}{2}$$
$$sinA-sinB=2\cos\frac {A+B}{2}\sin \frac {A-B}{2}$$
$$cosA+cosB=2\cos\frac {A+B}{2}\cos\frac {A-B}{2}$$
$$cosA-cosB=-2\sin\frac {A+B}{2}\sin \frac {A-B}{2}$$
これをさっと覚えるにはどうしたら良いでしょうか。
加法定理から導くというのもこのA+Bという謎の変数の変換によってなんだかよくわかりません。
ではどうやって覚えたらいいでしょうか?
実はこの公式はsin, cos の微分の公式を導出するのに使われています。
ならばそのsin, cosの微分の導出を手がかりにこの公式を覚えてはどうでしょうか?
sin(x)の微分はなんですか?
そうcos(x)です。
ではこれを導き出してみましょう。
微分の定義より
$$sin'(x) = \lim_{h \to 0} \frac {sin(x+h) - sin(x)}{h}$$
はい!ここに何か見覚えのあるやつが出てきていますよ。
そう!sinA - sinBだ!
ここでA = (x + h) , B = xと置けば和積の公式の形です。
A+B/2とA-B/2は
$$ \frac {A+B}{2} = x + \frac{h}{2}$$
$$ \frac {A-B}{2} = \frac{h}{2}$$
です。
そしてこれはcos(x)になることがわかっている。
ということは A+B のほうがcosだとわかります。
なぜならh はlim h->0で0になり消えてなくなるからです。
なのでcosの方にA+B/2 (x + h/2)を入れて
$$ \lim_{h \to 0} \frac {2 sin(\frac{h}{2}) cos(x+\frac{h}{2})}{h}$$
分子の2を分母に1/2にしてかけると
$$ \lim_{h \to 0} \frac {sin(\frac{h}{2}) cos(x+\frac{h}{2})}{\frac{h}{2}}$$
sin(x)/xはxが0に近づくと1なので無事にcos(x)が残りました。めでたしめでたし
で終わるのではなく逆にこのsinの微分の導出を思い出しながら和積の公式を覚えてみましょう。
具体的にはsinA - sinBの形を見る。
これはsinの微分のやつと思う。
ならばcosが残るはずと考え。そうならcosのほうにA+B/2が入ると思い出す。
あとはlim h->0で1になるためのsinが必要だと考えればsin(A-B/2)が思い出されるはずです。
よってsinA - sinB = 2 cos(A+B/2) sin(A-B/2) が出てきました。
では同じようにcosの微分を考えてみましょう。
cos(x)の微分は-sin(x)です。なので和積の公式にもマイナスがでてきます。
そして今度は1になって消える部分(sin(x)/x)のもういっぽうもsinです
ここまでくればもう和積の公式がでるでしょう。
-2 sin(A-B/2)sin(A+B/2)ですね。
あと2つはどうするんだって?
そこはsinとcosがひっくり返ってマイナスが消えるとでも覚えておきましょう(適当)(´Д`;)